なんの取り柄もないけど起業してみた

株式会社って思ったより大変だった

3人目のメンバー

2年前、前職のイベント会社の同期だったIくんを私たちの会社に誘った。

彼は私たちが前職の会社を辞めた後もしばらく残っていて、社長から小言を言われながらも営業を頑張って、取引先を増やしていた。

 

彼が前の会社で小言を言われ続けたのには訳があって、彼は入社したその初日から「帰りたい」「もう辞めたい」と口ぐせのように言うタイプ。やる気がないわけではないし、ヘタレなわけでもないけれど、「楽したい」という気持ちが先行してしまうところがあって、最初から「ダメなやつ」のレッテルを貼られていた。

責任感も今ひとつ。とにかくオフが大事で、地元の友達と夜中までダーツして遊んでるような人でした。

ダメな奴っぽいんだけど、話してみると「すごくいいヤツ」で、憎めない。そのキャラのお陰で取引先からも可愛がられていたように思うし、仕事も取れたんだと思う。

 

私は自分の性格が割と「クソ真面目」な方なので、仕事仲間としての彼はあまり評価していなかった。婚礼の仕事でミスされたこともあって、私が代わりに謝罪したり、嫌な思いもしてる。

でもスー(社長)が「うちにとって初めての社員の人選はとても大事だよ。Iくんを誘おう」と言った時、反対はしなかった。

 

前職ではあんな感じだったけど、彼は前職を辞めた後、真面目に家電量販店で働いていた。その後携帯電話の販売に引き抜きされて、販売数全国1位を取った時もあると聞いていた。

いわゆる、やればできる子タイプなんだと勝手に思って。

それに、仕事の能力よりも、私たちが信頼して仕事を任せられる人かどうかが重要だと思ったからね。

 

1年目は給料分、稼げなくても仕方がないと最初からスーと話をしていたらしい。

想定通り、1年目は大して仕事も取れず給料分すら稼げなかった。

2年目は2020年、コロナでイベントの仕事が激減。仕方がないけど雇用調整給付金をもらい、借り入れをマックス額までして、なんとか凌いだ。赤字決算でした。